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教室長日記

英単語にも新語があり、廃れていく単語がある

新しい言葉が生まれてくる一方で死んでいく言葉がある。私が小学生の頃に流行った「チョベリグ」などといった言葉を今の子どもたちに向かって言ったのなら、きっと口を半開きにしてポカンとされることだろう。

言葉が生まれ、死んでいくとういことはとても当たり前のことなのだけれど、この現象を英単語で考えたことのある人はほとんどいないのではないだろうか。

そこで本日は杉田敏さんの「英語の新常識」から私が衝撃を受けたいくつかの現象を紹介したい。

[genderの多様性に基づく新語の登場]

数ヶ月前の話だけれど、「genderlessのおもちゃ」というのが話題になっていた。男の子も遊べるお人形やおままごとセット、その逆に女の子も遊べるDIYセットなどがそれである。まぁ、賛否両論はあるだろうけれど時代を反映しているなと妙に感心してしまったし、今後もこのスタンスのおもちゃが売場を支配していくんだろうなと思っている。

人間が生きている限り、人間が作る時代や価値観は移り変わっていくのが当然。だから、その時代を表現するための言葉が変化することも当然のことなのだ。言葉は時代を映す鏡である。時代が変われば時代に合った言葉が新語として生まれていき、時代に合わなくなった言葉は死んでいく。

この本の中で筆者をまず驚かしたことは、人に対して使われる敬称「Mr」や「Ms]が今現在少しずつ変化しているという事実だった。男性・女性で敬称を変えることが時代遅れだということなのだろう。

今、アメリカの若者を中心に「Mr」や「Ms」に代わって「Mx」という表現が登場してきているそうだ。発音の仕方は「ミクス」や「マクス」などまだ固定されてはいないのだけれど、あと10年もすればこれが一般的な表現として定着するのかもしれない。

また、「Mx」という新語が登場してきたことで、1970年代に言葉の世界から退場していた「Mrs]という言葉が再び生き返りつつある事実も興味深いところだ。どうやらこの言葉は合法的に婚姻関係を結んでいる女性であることをはっきりとさせたい場面で使用するとのこと。女性蔑視だということで退場した「Mrs」に別の角度からスポットライトが当たる。そんなこともあるのだなと不思議に思った。

[heやsheはどうなっていくのか?]

この[he]や[she]をどう表現するのかというと、[you]のように単複同系の[they]にしようという動きがあるそうだ。つまり[they is] が登場するかもしれないとのこと。塾で[they is]と書いている生徒に間違っていると堂々と言えない日が来るのもそう遠い未来の話ではなくなるかもしれない。

そうすると、[themself]も成立することになるのか・・・。最近英語の教科書が改訂されたばかりだけれど、また教科書を改訂しなければならない日も近いのかもしれない。

素朴な疑問だけれど、今後英文和訳の問題で[they is]と出されたら「彼」と訳して良いのだろうか。そんなことも考えさせられる。「彼」と訳すか、それとも日本語にも「彼」「彼女」以外の造語ができるのだろうか。アルファベットで表記する英語と違ってそういった新語を造るのに、日本語はあまり向いていないように思えた。

[男女平等の観念から変化した言葉]

[ladies and gentelmen]なる表現が一般的な場面から退場したのは今から数年前で、今では退場したどころか、禁句になっているそう。大勢の前に立ってレクリエーションの司会、意気揚々とこんなことを言ってしまったら嘲笑の的になるだけではなく、場合によっては職を失うということもあるだろう。知らないって本当に怖いことである。(ちなみに、こういうときは、[hello,everyone]くらいが丁度良い)

他にも

[mailman] → [mail carrier]

[policeman] → [police officer]

[chair man] → [chairperson]

[sportsman] → [athlete]

[waiter,waitless] → [server]

[steward] → [cabin attendant][flight attendant]

こんな風に仕事の呼び名が変わって来ているのも時代を反映している。
そんなことを意識して英文を読めば、何気ない英文も新しい気づきになるのではないだろうか。

ちなみに、詐欺師である[con man]は何ていうのか後で調べてみようと思っていたら、その10分後に見ていた海外ドラマの中で[con artist]という表現が出てきた。[artist]というところが面白い。

[おまけ]

杉田敏さんの「実践ビジネス英語」というラジオ番組は既に終わってしまったけれどYoutubeに音源が残っていて非常に勉強になる。

言葉は時代と共に変わる。しかし、何故か英語だとそのアンテナの感度が非常に鈍い。言葉は時代を反映していることを忘れずにドンドン新語を取り入れていくことで日本人の英語力は高まるのではないだろうか。

ちなみにgenderless は日本での造語でgender-neutral が正しいので、英語圏では間違えないようにしたいところである。

では、今日はここまで!
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