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短くて面白い短編集を3冊紹介します

本日は読書をしようにも何を読んだらよいのか分からない生徒に最適な本を3冊紹介しようと思います。

ちなみに最適であるとする基準は2つです。1つは「短さ」で、もう1つは「面白さ」です。

300ページを超えるような本を一気に読み切ることは読書習慣がないとなかなか難しいものです。気合いを入れて分厚い本に挑戦しても最終的に半分くらい残したまま本棚にしまわれてしまうというオチが付いてしまうことも珍しくありません。

本日紹介する3冊はどれも短編として魅力的なものになっています。時間がある時に読んでみて下さい。


『猛スピードで母は』 長嶋有

小学6年生の慎とシングルマザーとして奮闘する母親の物語です。小学生とシングルマザーという組み合わせから何となく物悲しいストーリーを想像されてしまうかもしれませんが、そういった悲壮感からは真逆の方向に話は展開されていき、最後はとても前向きな気持ちになれる本です。描き方次第で悲しいストーリーにもなるのでしょうが、猛スピードで車を運転する母親の力強く現実に立ち向かう姿勢がとても魅力的な1冊です。

ちなみに、この本を私が初めて読んだのは今から20年ほど前で、その時は小学6年生の慎の視点で物語を追っていましたが、この母親と同年代になった今読み返すと母親の視点から物語を読んでいくこともできるので、子どもだけではなく大人も楽しめる作品だと思います。

ページ数は100ページ超と2時間もあれば読み切れてしまうくらいの長さです。同じくらいのページ数で『サイドカーに犬』という短編も収録されているので100ページでは少し物足りないと感じる場合にも最適な本だと思います。


『寺内貫太郎一家』 向田邦子

言わずと知れた売れっ子脚本家であった向田邦子さんの小説です。小林亜星さん主演のテレビドラマとして今から50年くらい前にTBSで放送されていました。体のでかい頑固おやじがすぐにカッとなって女房や子どもを張り倒すという、今の時代に放送したら大問題になってしまうような内容なのですが、そんな頑固おやじが誰よりも人情に厚く涙もろいという設定が読者を惹きつけます。笑わせて最後に泣かせる物語です。爆笑問題の太田さんが絶賛する向田邦子さんの作品はどれも読みやすく面白いのですが、『寺内貫太郎一家』はそのなかでも抜群に面白いです。1話完結なのでどこから読んでも、どこで終わっても面白いというのがとても手軽で良いと思います。


『モッキンポット師の後始末』 井上ひさし

フランス文学を教えるフランス人の大学教授モッキンポット先生は、彼の日本語の先生が関西弁だったという理由から流暢な関西弁を話します。その設定だけで既に面白いのですが、その教授のもとにやってきた貧しい学生たちとのドタバタ騒動は痛快で、それぞれの話にしっかりとオチが付いているところもオススメポイントです。浅草のフランス座でアルバイトをすることになった主人公の「ぼく」が、モッキンポット先生に交通費を借りにいくシーンは笑えます。

1つの話が約40ページくらいですので、1時間かからないくらいで手軽に読めると思います。


最後に

最近はテレビもなんとなく面白くないなと感じたのなら、少し本でも読んでみませんか?普段本なんてあまり読まないから何を読んでいいのか分からない。あまり分厚い本は気が重たい。そんな方はぜひこの3冊を検討してみて下さい。子どもたちに読書習慣が根付くことを願っています。

では、今日はここまで!!
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