エビングハウスの忘却曲線
こんにちは。新座市の個別指導塾ユニスタディです。
今日はとても古典的なお話ですが・・・エビングハウスの忘却曲線について書きたいと思います。忘却曲線とは、いったん覚えたことが時間がたつにつれ、どのくらい記憶として残っているか?をグラフで表したものです。テスト勉強の参考になると思います。ちょっと頑張って最後まで読んでくださいね。
ところで、エビングハウスとはドイツの心理学者の名前です。ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus、1850年~1909年)。日本の歴史では、ちょうど江戸時代末期、ペリーが黒船で日本に来た頃に生まれた人です。日本が幕末から明治にかけて明治維新を経て、初めての海外での大きな戦争(日清戦争)をやっていた頃に、ドイツで研究されていた学説です。
目次
1.「アタマの良い人は一度覚えたら忘れない」はウソ
人間、忘れることは当たり前で、決して「アタマの良い人は忘れない」、というわけではありません。
エビングハウスは、意味のない3つのアルファベットを並べたものを複数のテスト対象者にたくさん覚えさせ、その記憶がどれくらいのスピードで忘れられていくかを実験しました。上のグラフが「エビングハウスの忘却曲線」です。この実験から、20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後に77%、1ケ月後に79%を忘れてしまうという結果が出ました。
確かに個人の能力の差もありますが、一度や数度見ただけでスラスラ完璧に覚える人なんて殆どいないということです。しかし、定期的に復習をすれば、その記憶は確実に定着していく!のです。
2.復習のタイミング
復習で記憶が定着する・・・とは、このグラフのようなイメージです。繰り返し復習することが大切です。
では、復習は早めにやった方がよいのでしょうか。テスト前にまとめて復習するのはダメなのか。
決定的な違いは、このグラフで現れていない点にあるのです。つまり、1日後の74%忘却と1ヵ月後の79%忘却では、記憶の鮮明さで違いが出ているのです。できるだけ早く復習すると、記憶が鮮明なため、忘れていても短時間でよみがえります。
それに比べ、1週間以上経過したあとで復習しても、ところどころ完全に忘れてしまって、初めて記憶した時と同じ時間が必要となるのです。
この違いを、「再認可能忘却」と「完全忘却」といいます。
テスト前にまとめて覚え直そうとすると、「完全忘却」となり、復習にかかる時間、テスト対策に必要な時間が長くなってしまいます。テスト勉強の途中で疲れてしまいますよね。
せっかく授業の時に覚えたことは、その日のうちに宿題をやったり、その後も反復自習することで、定期テストや入試の直前に焦らなくてすみます。これが「再認可能忘却」を自分の味方につけるコツです。
もしクラスの中に、いつもいい点を取る友だちがいたら・・・それは毎日、あるいは週に何度かコツコツと覚え直しの努力をしている人だと思います。短い時間も自分の味方にして、コツコツ積み上げてみましょう。
3.「テスト勉強の一夜漬け」はNG
そういえば定期テストを「一夜漬け」で何とか乗り切るのが上手い人もいます。実は私も苦手な科目はそうやってやり過ごしてきました。試験前日に数時間かけて試験範囲を総復習。出そうな問題の山を掛けて定期テストは何とかクリアできたのですが、その後の受験勉強の時にはゼロから覚え直すのが辛くて・・・その一科目のせいで不合格。悔しい思い出です。
ユニスタディでは、一人ひとりの個性に合った反復復習の方法を教えます。復習が苦手な生徒にも、塾に来た時にやるだけでなく、自宅でもちゃんとひとりで自習ができる気持ちを育てます。特に覚えるのが苦手だなと感じている科目については、覚え方のコツについても先生にどんどん聞いてください。
(塾長、キャリアコンサルタント 仙波京子)
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