若者の日本語力の低下、いよいよ待ったなし!
若者(のみならずいい大人も?)の日本語力の低下が叫ばれている昨今ですが、ネットで大変興味深い記事を発見しました。まずリンクを貼ります。
9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ
by 河合 薫氏 健康社会学者(Ph.D.)
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00049/?P=1
特に気になった部分を引用しますと。。。
先日、講演会後の懇親会で、管理職が20代の社員たちの日本語能力に悩まされているという話で盛り上がった。
「9時スタートの研修会なのに1分前にドサドサと入ってきて、5分、10分の遅刻は当たり前。なので『9時10分前には集合するように』と言ったら、キョトンとした顔をされてしまって。ま、まさかと思いつつ『8時50分に来るのよ』と念押ししたんです。そしたら、『あ、そういうこと』って。もう、わけが分かりません」
こんな“珍事件”に面食らった上司たちの嘆きが、「これでもか!」というくらい飛び出したのである。
この「9時10分前集合」というフレーズ、もちろんこの場合8時50分に集合という意味を表しますが、そのことが理解できていない若者がたくさん存在するということです。これは、もはや日本語が通じなくなってきていると言っても過言ではないレベルではないでしょうか。
それなりの会社に勤めている若手社員で、おそらくしっかりと大卒の資格も持っているような人達だと推測されますが、成人した社会人ですらこうなのですから、ましてや小中学生はまったく理解していないのではないか?という不安が頭をよぎりました。
そこで、たまたま授業に来ていた中学生数人に 「9時10分前集合」 と言われたら何時に来る?という質問をしてみたところ、正確に8:50分と答えられた生徒は6人中2人でした。
まあ、大人でさえそうなのですから、3人に1人正解できれば良しとすべきでしょうか。しかし、逆に3人に2人が正確に理解できていないといった状態でそのまま皆が社会に出てもいいものだろうか?と心配になると同時に、こういう部分こそ我々のような塾業界の人間がきちんと教育をしていくべきなのではないかと思いました。
おそらく学校では、そういった教育を重視しようなどといった意識があるのか謎ですし、先生たちも多忙すぎ、かつ他に正規授業内でやるべきことがたくさんありすぎるがために、分かっていても着手できないだろうと思われるからです。
現に、こういったレベルの日本語力しか持たない中学生がすでに存在していることがその証拠ともなり得るでしょう。これがまさにリンク内でも述べられている日本語軽視の代償ということでしょうか。これはあくまで一例ですが、色々な所で言葉を知らないことから起こるコミュニケーションブレイクダウンが起こっているようです。
もちろん、そのような中学生たち自身を責めているわけではありません。そのような環境を作ってしまった今の日本社会(言わば、大人である我々)に問題があるのです。
ですので、その問題を解決できるように全力で取り組むことこそが我々の使命なのだと思う次第であります。弊塾は小さな学習塾ですが、そんな塾にでもできることが必ずあるのではないかと思います。
国語力が全ての科目の土台になることは私も散々力説していますし、そのような意見を述べている識者も多数いますので、国語力の強化はどの塾よりも率先してやっていくべき項目として考えています。
実際、中学生に中学入試用の問題をやってみてもらったところ、読解問題、語彙問題共に芳しい結果は得られませんでした。これでは、学校でやっている教科書の内容を表層的に補助指導したところで根本的な解決にはならないなと感じました。
国語力を上げるために最低限必要なのは、「漢字」・「語彙」・「基礎的な文法力」の3つです。それぞれ必要な理由があります。
「漢字」は、漢字の1文字1文字には意味がありますが、それらが組み合わさって二字熟語や四字熟語ができています。一文字一文字の意味が分かれば、初めて出会った言葉であっても意味を類推することができるようになります。また、音から漢字を思い浮かべる際にも、そもそも漢字を知らなければ脳内で正確に変換できず、人の言ってることが分からないということになりますのでそうならないために必要となります。
「語彙」は言うまでもなく、慣用句、ことわざ、故事成語などですが、これらは知らなければ読んでも意味が分かりませんので普段の生活で身についていない分に関しては勉強して教養として身につけておくべきものになります。
「基礎的な文法力」というのは主語・述語の把握、簡単な品詞(動詞・形容詞・形容動詞・副詞等)の見分け、接続詞や助詞の正しい運用、指示語の内容理解等です。ただし、中学でやるような五段活用や未然形・連用形等の活用形のような文法問題のための文法力は読解力を上げるためにはほぼ必要ないです。そういったものは除いて、読解力や表現力を上げるための文法ということです。これは、理解することによって国語力のみならず英語力のアップにもかなり役に立ちます。
ただ、日本語力というものは勉強でのみ培うものではありません。日々の生活の中で少しずつ身についていくものでもあります。親御さんとの会話、一緒に見ているテレビ、新聞や雑誌の記事、時にはマンガからも得るものはあります。ですので、親御さんはお子様と接する時も敢えて子供向けの言葉を使わずに、普通に世間で使う言葉を使って会話をしてみて欲しい思います。それで分からない言葉が出てきたら、それどういう意味?と気軽に聞ける環境。そんな環境も大事なのではないかと思います。まずはご家庭でできる一歩です。
当塾では、以上のようなことを踏まえどうしたら塾生が試験や受験等だけではなく、今後何十年と生きていく上での生きるための国語力を付けてもらえるかを課題として精一杯ご指導をしていきたいと思っています。
ご賛同いただけるたくさんの親御さんからのご連絡をお待ちしております。
ユニスタディ 教室長 泥谷(ひじや)
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