宿題の効果について
少し前の話ですが、テレビでもお馴染みのメンタリストDaiGoさんが、youtube上で「宿題が無意味であることが科学的には示唆されてる件」と題して、宿題をやっても無意味だからやらなくてもいい、学校も宿題を出すことを禁止すべきだという主旨の動画を上げていました。アメリカの学者の論文を引き合いに出し、色々と自論を展開されていましたが、各方面から反論などもあり追加動画で一部訂正・謝罪をするということになりました。
ご参考までにリンクを貼っておきます。
本編: https://www.youtube.com/watch?v=LZTy-ps_gyM
訂正版: https://www.youtube.com/watch?v=z5-E5elbh4E&feature=youtu.be
DaiGo さんが正しいか否かはさておき、その主題である「宿題に効果があるのか無いのか」について私なりに考えてみたいと思います。あくまで、私自身の経験に基づく考察であることをご了承下さい。
まず、この近隣の小中学校の宿題の状況を見てみます。小学校では、算数の計算プリントや漢字の書き取り等が課せられているようです。
中学校では、各科目毎にワークという冊子になったものを配布し、定期テストの度に範囲指定をして提出させるというスタイルを取っているようです。
実際にこれらが効果があるのか?という疑問点ですが、まず小学校でやっていることはおそらく効果があると思います。漢字の練習など一人でできることを学校の授業の中でやることは時間の無駄です。それを自宅で練習し身に付けることは有益でしょう。むしろこれは嫌々でも課してほしい課題です。算数の計算プリント等も、計算は数多くこなすことで体で覚えることができ文字通り身に付きます。これも授業時間内のみでは時間が足りませんので、自宅での学習で補うというのは意味のあることだと思います。もちろん、一人で解くことができるようになっているのが大前提ですが。
次に、中学生の宿題はどうかですが、このワークを範囲指定してやらせるスタイルに関してはどうも効果的であるとは思えません。一つ目の理由は、試験前に決められた範囲をやって提出しなければならないために、とにかくやっつけでやっている子が多数存在する点です。授業で習ってない部分は基本的に宿題で先んじてやることができません。授業で習った箇所をその日に少しづつやって行けば間に合うかも知れませんが、試験範囲発表後ギリギリまで授業を進めている状況もあり、きっちりこなせる生徒はあまり多く無いと思われます。提出をしないと通知表の成績が下がるのでとにかく適当に解答して丸付けを提出する羽目になります。これでは時間の無駄以外の何物でもありません。
二つ目に、やっているワークの内容です。宿題というものは基本的に一人でやるべきものなのですが、一人でやるには難易度が高すぎます。具体的に実際に見たことがあるので分かるのですが、新座五中、第六中で使っている数学のワーク (同じものですが) に関しては、過去の全国の入試問題なども入っておりはっきり言って難しいです。これは、成績で学年上位20%内の生徒には良いかも知れませんが、その他80%の子たちには一人でやるには難しすぎです。それを期限内にいやおうなく提出させるというのはちょっと無責任すぎだと思います。個人的には、宿題のワークは、全員同じものではなく成績に応じて3種類位用意するのがベストだと思っています。もしくはそれが難しければ、一番簡単なものを全員にやらせる。解法などが分かりやすく書いてあって、一人でも頑張れば解けるようなものです。それでは、上位・中位の子には役に立たないと思われるかも知れませんが、そういう子にとっても基本を着実に身につけることは有益ですし、簡単であれば時間もそうかからずに済みますので、空いた時間で自分にあったテキストなりを自主的に行うこともできます。
英語に関しては、五中でやっているものは比較的易しいものですので、これはちょうどいいくらいか、もう少し易しくてもいいかもしれないです。6中のものは若干難しいような気がします。せめて五中と同じレベルのものがいいのではないでしょうか。
私は、この地域で暮らしていますが、子供が小中学校に通っているわけではありません。ですので、学校に何かモノ申す権利はないのですが、地域の住民(子供ができればその学校に通わせることになりますから)として学校の先生方とこういった内容について話し合う場などがあればいいなあとは思います。公開授業などはたまに見させていただいているのですが。。。
さて、では塾での宿題はどうなのかですが、方針としてはあくまで自分一人でやれるもののみを出しています。その生徒のレベルに合わせたものを出します。授業でやって理解できているものです。他には英単語などの暗記系のものなどを出します。一人でやれそうにない時には出さないこともあります。
ちなみに、先日知り合った個人塾の塾長さんとお話したところ、その塾では特に宿題は課していないそうです。あくまで生徒の自主性にまかせているということです。それで成績も上がっているということなのでまさに理想的ですよね。ただ、それをそのまま今当塾に応用できるかと言えば違う話になります。環境も違いますし、形態も違いますので。ただ、いずれそのような形にしていきたいなとは思っています。
ということで、宿題に意味があるかないかですが、結論、「内容による」と私は思います。一人一人の生徒の学力・性格などに合わせた最適なものを提示する。これが理想です。幸い当塾は個別指導で且つ私が全員の生徒を見るのでそういった対応ができるのが強みではあります。ただ、、、宿題をやってこない子がいるのは頭痛の種なのですが。。。(泣)
ユニスタディ 教室長泥谷(ひじや)
シェアする