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教室長日記

最近の道徳の授業

先日、小学校3年生の娘を持つ友人と食事に行った。最近あった仕事上の話から、時事問題など内容は多岐にわたったが、その中に、学校の道徳の授業に関するものがあった。とても、興味深いものだったので紹介したいと思う。
その話は、私の友人がふと娘の道徳の教科書をパラパラとめくっていたことから始まる。あるテーマのところで彼の手が止まった。それは「個人プレーとチームプレー」についてのものだった。場面は「野球で、ある打者にバントのサインが出ていたが、その打者が相手の守備位置をみて、とっさにヒッティングに切り替えた。結果は、ヒットになりチャンスが拡大した」というもので、質問は「この打者の判断は正しかったかどうか」である。
答えの無い問題をみんなで話し合い、色々な意見に触れるのが道徳の授業の目的だと私は考えている。したがって、この内容をみんなで話し合うことに問題はないのではないかと友人に言うと、どうやらこのテーマには答えがあるとのこと。聞けば、ヒッティングに切り替えた打者の判断は間違えだったという着地点があるテーマだったのである。
私は、かなり驚き、動揺した。また、この教科書が文部科学省の推薦したものだということに恐怖も覚えた。批判する力のない子供たちに対して、答えの無い問題の答えを与える。しかも、それは誰かに都合のよい答えなのだ。
この話を聞いて、子どもたちに必要なことは、考えられる人間になるということだと痛感した。人生には答えのない問題ばかりである。私たちは、答えのない問題に対して、悩み、決断して自分なりの答えを導き出していくものだ。その考える訓練こそ学校教育の果たすべき役割なのではないだろうか。そんなことを考えることになった土曜日の夜だった。
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