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英語の力をつけるためには


先日のブログで大学入試の 英語民間試験の導入延期 をお伝えしましたが、その 英語民間試験の導入計画の発端にある「スピーキング力」強化について考えます。





英語教育の最終的なゴールは、現状日本の英語教育では、グローバルに活躍できる英語人が育っていないため、今後「ビジネスで使える英語力」を持った人材を育てることにあると思います。そのためには、今多くの日本人に不足している「英語力≒会話力」が身に付くような教育を行っていくことが不可欠だということです。





その考え自体には賛成です。私は、今は塾で中学生に対して英語のみならず、数学や国語など五教科を指導していますが、元々の専門科目は英語です。ですので、塾生には何よりも英語が得意になって欲しいですし、成績も伸ばして欲しいです。そして、そこをきっかけに勉学にとどまらない社会でも使える「英語力 ≒会話力 」を身につけて欲しいと願っています。だからこそ、公教育の中で「英語力 ≒会話力 」を身につける指導が行われるのは大歓迎です。しかし、その「方法論」が間違っていれば、また数年後に成果が出せずに更なる方向転換を余儀なくされるといった事態が起こるでしょう。十数年前に行われた「ゆとり教育」が見直されたのはご存知かと思います。今はゆとり教育は行われていません。つまり、「ゆとり教育は失敗だった。」という結論です。





では、今回の改革で本当に使える「英語力 ≒会話力 」を持ったグローバルな人材が育つと言い切れるでしょうか?本当に文科省の指導方針で成功すると言えるでしょうか?私にはそうは思えないのです。その賛同できない点と理由を今日は一つだけ挙げます。





・小学校での英語の教科化






小学校での英語を教科として昇格し、成績が付くようにすることになっていますが、小学生の内のまだまだ日本語の能力が身についていない状態では、英語を学習してもあまり効果は上がりません。簡単な文法用語すら多くの子は理解できませんし、教科化されることによって嫌々英語をやらなければならなくなり、かえって英語嫌いの子を育ててしまう可能性があります。年齢的にはまだまだ体験型学習(日本人が日本語を自然と生活の中で身につけたように、英語も英語の環境下で自然に身につけるという学習法)が有効な年代ではありますので、ここでは勉強と言うよりも今までのように楽しく英語に触れさせる程度の学習の方が有益だと思います。ALTの先生たちと触れ合う機会をもっと多くするその位で良いかと思います。後は簡単なアルファベット、単語などが使えるようになれば良いでしょう。





当塾でも、小学生に対しての指導では上記の事に留意しながら中学生になった際に困らない必要最低限の英語力を身につけることを最低目標としています。もちろん、英語が得意な子には、その力に応じた課題を課していきますが。





むしろ、小学校でやるべきことは、徹底的な国語教育です。中学生になった時点で文章内の主語・述語の関係性が分からない子や、「てにをは」などの助詞の運用ができない子、「しかし、だから」といった接続詞をうまく使えない子等が多く存在します。また、会話の中での音声を正しく頭の中で変換出来ない子も多いです。文脈の中で「助成金」と認識べき所を「女性金??」などと思ってしまうのです。その状態では英語をやっても決してできるようにはなりません。これは断言してもいいでしょう。英語のみならず、もちろん国語、数学の文章題、理科の問題など全てにおいて不利な状況が生まれます。ですので、とにかく必要なのは国語力です。賢明な親御さん方にはそのことをぜひ理解していただき、今のお子さんに必要なものは「国語力=日本語力」だと認識していただきたいのです。昨今、若者の日本語力が低下しているのは良く聞く話だと思いますが、私も実際に指導をしていると想像以上の低下具合に驚かされます。





ですので、まず小学校時代にやるべきことは国語力を身につけることだと思います。母国語以上の外国語能力を身につけることはできません。まずは、「国語は得意だよ!」というお子様を育てるべきです。
 当塾では、今後国語力強化のための体系的なプログラムをスタートさせていく予定ですが、現状でも折を見て全塾生に国語力を上げるための課題をお出ししています。ただ、そもそも英語と数学しか受講していない生徒に対してはあまり時間が取れないのが難点ですので、今後国語力強化のプログラムを全塾生必修化することもあり得るかもしれません。





以前、社会人向けの英会話スクールで指導をしていた時、やはり英語が苦手だという方は大人でも数多く存在しました。そういった方に共通してみられる傾向に国語力が弱いということが一つありました。大人になっても主語や述語が分からない人もいるのです。その状態ではやはり英語も身につかず、、、大成することはないというのが残念なケースでした。





今日のお話を端的に良く書いてある記事を見つけましたのでお知らせします。私の言いたいことをかなり代弁して下さっています。ご参考までにお読みいただければ幸いです。





子どもの英語力を削ぐ「会話力重視」教育、入試改革よりも深刻! (ダイヤモンド・オンライン)





https://web.smartnews.com/articles/hx5EYTg85v7





まだまだ話足りないことはあるのですが、長くなってしまいますので今日はこの位にして、また引き続き次回以降お話させていただきたいと思います。





ユニスタディ 教室長 泥谷(ひじや)






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